選択疑問文「AやBや」における係り結び

閲覧数1,902
ダウンロード数1
履歴確認

    • ページ数 : 4ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    日本語の表現1  平成二十年 --
    選択疑問文「AやBや」における係り結び
    はじめに
    係助詞「や」「か」の違いの明確化を試みる研究は多々みられる。しかし、このような研究からは、それぞれが係り結び構文である必要性は見えてこない。係り結びという特殊な技法を使うからには、そこに何らかの特別な意味があるはずである。ここでは、「や」「か」の違いを見つつ、「AやBや」の文型が係り結び構文となる場合の特徴について考えてみたい。
    一、「疑い」と「問い」
    「や」と「か」の違いを明確にする際、音の印象の違いを指摘する研究もある。
    松尾氏(一九三六)は、「や」「か」の違いは、「語法上の問題といふよりは、寧ろ修辞上の問題であつて、音調の相違が基本になつて居る」とし、「や」は「柔らかく優しい音」で「親しむべき感じ」があり、「か」は「強く硬い音」で「迫る様な詰るやうな感じが伴ふ」としている。疑問詞を伴う疑問文は、「おぼろげの一般的の問ではない」ため、「か」を用いるということである。こういった効果は、柔らかく優しい音の「や」では発生しないとしている。
    また、「や」「か」の比較では、しばしば「疑い」と「問い」という概...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。