過去問の集計により、科目最終試験に出題されると予想される6問について、その解答をまとめた資料です。
ちなみに2009年度のものですので今年度も同じかどうかはシラバスなどで確認してください。
この解答例は私が自分用にまとめたものなので、きちんとした文章になっていない場合もありますし、誤字脱字もあるかと思います。
また、私が合格したのはこの中の1問ですので、そのほかの解答については100%の保障はありません。
あくまでも参考程度の資料として、そのあたりをご了承いただける方のみ、よろしくお願いします。
・王維の人物像と作品の概要を述べよ。
王維は幼少より詩・絵画・音楽などの多才を発揮し、貴族など上流階級のサロンに迎えられ、二十一才で進士になると、宮廷詩人として活躍した。、
官吏としても最終的には尚書右丞という高官にまでのぼりつめるなど名声をものにした。
しかしながら、王維はこのような華やかな生活の一方で、しだいに自身の境遇に対する不遇感や孤独感抱くようになる。王維は下級士族の家に生まれたが、貴族階級が政権を握っている当時の状況では、それは貴族階級の下で一生を過ごさなければならないという事を意味した。さらには、士族出身の同僚とも、激しい生存競争をしなければならず、それは、本来仲間ではるはずの、同じ階級の同僚を敵としなければならないということである。そのことによって彼の心にはどうしようもない孤独と疎外感が生まれていたのである。
王維は、そのような孤独感や不遇感を、左遷された経験や、安禄山の乱で捕らえられ、敵の官職を押し付けられるなどの挫折を味わう中でいっそう強めていく。王維の詩は自分の感情をおおっぴらに表現するものは少ないが、「不遇詠」などにおいては自身の不遇感を嘆く詩を詠み、「送友人歸...