法律学概論の合格レポートです。参考にどうぞ。
医療をめぐる法律問題について。
はじめに。
わが国の従来の医療は恩恵的な色彩を帯び
ていて、意志の権威主義の影響の下で行われ
ていた。例えば、交通事故で公平な調査をす
る、警察官を「先生」と呼ぶ人はいない。し
かし、医療事故で公平に調査をしない、医師
を「先生」と呼ぶ人は多い。このことは医師
の権威の大きさを物語っているともいえる。
ところが、近年、医療事故に際し、不法行
為として、裁判に訴えることが増加している。
これは医療を患者の立場に立って行う行為と
して確立しようとするものである。
2、医師と患者の権利義務関係。
憲法25条は「すべて国民は健康で文化的
な最低限度の生活を営む権利を有する」と定
め、生存権を保障している。この実現の上で
重要なのが、適切な医療を受ける権利である。
しかし、近時における医療の高度化、複雑
化、分業化、産業化や患者数の増大、医師不
足などにより、医療時間の短縮、病院のたら
い回し、診療拒否など、医療の歪みや医師患
者の関係の希薄化が問題視されるようになっ
た。これらの問題を解決するため、「医療に
おける患者の主体的地位を尊重する」ことに
より、...