1900年代に入ると、日本の国際化はより一層進行し、日系労働者が急増した。外国人労働者の増加とともに、日本の学校に在籍する外国籍の子どもも増加の一途をたどっている。外国籍の子どもの多くは、在日外国人の子ども達だが、1980年代後半からは、教授言語である日本語が全く話せない外国籍の子どもが急増してきた。また、帰国子女をはじめ、外国での生活が長い子どもたちも増えている。多様な文化的背景をもった子どもたちが日本の学校に就学するようになった今、これまでの国民形成に代わる、新しい教育の方向性を検討していく作業が必要になる。
しかし、日本の学校の持つ特徴が特に外国籍の子どもに大きなハードルとなっている。
第一は、日本の学校の持つ制度的なハードルである。例えば、一定の強化の体系とその履修は、強化として位置づけられていない「日本語」の学習の保障と体系的な日本語の指導を困難にする。また、高校入試という現行の制度が子供たちの進路選択の際に大きな障壁になっている。
第二は、学校の持つ構造的な特徴である。日本の学校は、頻繁に学校成員が接触し、共有体験を積み、しかもそれが協調的であるような構造や活動パタ...