幼児の生き生きとした造形活動を促す、導入時の「言葉かけ」「環境設定」のあり方について述べよ。実際に制作し、させた経験、身の回りで見聞きした子どもの事例をあげながら述べること。
子どもの遊びの中には造形にかかわる活動が多く見られる。砂場で遊んだり、土遊びをしたり、絵を描いたり、モノを作ったりするのは、大好きである。
しかし、なぜこどもはこのような遊びが好きなのであろうか。それは自己の内部にある思いを、自分の手で外部に表現することで、自己伝達や他伝達をすることの喜びを味わうことができるからである。このことから、造形遊びや表現を主体とする図画工作の授業は児童にとって非常に人気のある授業である。
しかし、ときとして教師の言葉かけ・助言が児童の自由な発想や表現を抑制したり誘導してしまう場合がある。図画工作においては作品を作り上げることも重要だが、自分の自由な表現ができる環境の方がもっと重要である。しかし、教師の立場になると、画用紙一杯に書かない子や、単色しか使わない子、造形遊びが進まない子などに対して、余分な言葉かけや助言をしがちである。言葉かけや助言を絶対にしてはならないという訳ではないが、そ...