国際生活機能分類(ICF)は、2001年5月に開かれた世界保健機関(WHO)の第54回総会で採択された、健康状態(生活機能)とその制限(障害)に関する新たな分類のことである。
WHO国際分類ファミリーとは,「健康に関する幅広い情報(例:診断,生活機能と障害,保健サービスの受診理由など)をコード化するための枠組みを提供し,健康と保健に関する諸専門分野および諸科学分野にまたがる国際的な情報交換を可能とする標準的な共通言語を提供する」(1)ためにWHOが開発している、複数の国際分類のことである。ICFもまた、WHO国際分類ファミリーの1つである。国際分類ファミリーのうち、障害に注目した国際分類として、国際障害分類(ICIDH)があげられる。これは、国際分類ファミリーの中で最も歴史の古い国際疾病分類(ICD)の補助分類として1972年から制定作業がはじめられ、1980年に制定された分類である。
ICIDHは国や文化、さらには障害種別を越えて、障害を持つことには複数の要因が関与するという考えのもとで提起されたもので、回復不可能な生物学的状態である機能・形態障害と、回復可能な日常生活上の問題である...