飛鳥時代から奈良時代までの仏像の技法や様式について、作例を5点以上あげて述べない。参考文献有り
六世紀に入ってわが国に仏教が伝来すると、朝鮮を介して大陸で完成された仏像の表現と技法が積極的に学ばれ、礼拝像の造像が開始された。
そこで、飛鳥時代を代表するブロンズ像としては、推古三一年(623)に鞍首止利により完成された法隆寺金堂釈迦三尊像がある。この像は方形二重の台座上、蓮弁形の大光背を背にして並ぶ一光三尊の形式をとる。三尊はともに杏仁形の両眼を見開いて口元に古拙の微笑(アルカイック・スマイル)をうかべる神秘的風貌をみせ、左右対称の正面観照性を基調とした全体感を呈する。この様式は、龍門石窟の造像に典型的な中国・北魏後期のそれを基本とし、東・西魏や北斉・北周にかけての要素を部分的に加えたものとみられている。
三尊の技法は中尊の螺髪が銅板打ち出し、両脇侍の台座の蓮弁が銅板切り抜きで造られるほかは、いずれも鑞型原型によるブロンズ(青銅)製鋳造からなり、線刻をほどこした後に表面を鍍金で仕上げる。各所に鋳損じた個所を補填した鋳掛けや銅板による象嵌がみえるので、一見その技術水準はさほどでないと考えられがちであるが、鋳造はもとより鍛造、彫金の各種技術を駆使し、1年という短期間で...