日本文学文化概説A1課題2

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    資料紹介

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    『万葉集』全二十巻の概略と一、二巻の配列上の特色についてであるが、まず、概略から述べる。『万葉集』は、一巻から十六巻の第一部と、十七巻から二十巻の第二部に分類することができる。第一部は、天平十六年(七四四)までの歌が収められ、相聞、挽歌、雑歌の部立がされており、すべてではないが年代順に配置されている。第二部は、冒頭部に第一部から洩れた天平十六年の四月に大伴家持が詠んだ歌など、三十二首を配置し、その後ろに天平十八年(七四六)の正月から天平宝字三年(七四六)の正月一日までの歌を部立せずに、年代順に収めている。また、第一部はさらに細かく分類することができ、一巻から六巻は、有間皇子事件などの歴史上の事件に関わる歌が多く収められるなど、「小万葉」と呼ばれ、『万葉集』の中核をなしている。七巻から十二巻は、それぞれ「柿本人麻呂家集」などの歌集から歌を集めて構成されている。また、歌の配列も年代というよりも、歌われた対象や、表現方法で分類されている。十三、十四巻は読み人知らずの歌を集めており、十五、十六巻は、物語性を全面に打ちだした歌が収められている。

     次に、一、二巻の配列の特徴として、五三番歌まで...

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