家族社会学特講 レポート課題
批評対象
土屋葉2002「障害者家族を生きる」勁草書房
「障害者家族を生きる」と銘打たれた文献であるが、その内容・結論は障害者家族だけにとどまらず、現代家族に対するひとつの「家族」のあり方を提示している。著者は本の中で繰り返し実用的な視点、当事者たちの視点が障害者家族を論じるうえで欠けてきたと主張し、この欠けてきた「経験」という主観的視点を取り入れることに挑戦していると宣言する。文献は序章と終章、そして7つの章から成り立っていて、障害者家族にまつわる、障害者たちの脱家族運動から、障害者家族研究の系譜、障害者にまつわる社会制度、障害者に対する社会や家族からの見られ...