現在の日本は世界有数の借金大国である。国債残高は平成21年6月末現在6844407億円にまで達している。また、国債の利払い費だけで税収の2割を超過している状況である。このまま国債を発行し続ければ、金利が上昇しさらに国債の利払い費が高まるという負のスパイラルに陥りつつある。国債に頼り国を運営していく方法は行き詰るのは時間の問題であり、緊急に取り組まなければならない課題である。
昨今の金融危機により日本経済は大きな打撃を受けたため、2009年度当初に46兆円を見込んでいた税収は、40兆円を割り込む公算が強まっている。このような状況の中で、景気刺激や社会保障関係費の増大が予想されている。本リポートでは景気低迷や少子高齢社会の現状を踏まえ、日本の財政規模と望ましい国民負担のあり方について述べる。
冒頭でも述べたが借金大国の日本にとって、財政上早期に解決しなければならないのがプライマリーバランスの黒字化である。このプライマリーバランスとは、基礎的財政収支のことであり、財政収支から国債の元利払い費を除いた指標である。このプライマリーバランスが均衡するには、国債発行残高の増加を止めるのが最大の条件で...