国文学講義Ⅳ(近世)①

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    国文学講義

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     俳句は五七五の十七音を基調とする独立した世界を持つが、連句は五七五に始まった発句を受けて、脇句が七・第三句が五七五・以下七七・五七五と連続していく。これは他に類を見ない日本独特の文芸である。連句は連歌の母体であり連歌と性格は似ているが、連句は発想・表現において自由である点が大きく異なる。
     『野ざらし紀行』の旅を終えた芭蕉による『冬の日』は、詩的精神を吹き込んだ評判の高い俳諧である。ただ言葉をもてあそぶのではなく、自己の心情を吐露した芭蕉独自の文芸作品である。
     一 狂句こがらしの身は竹斉に似たる哉
     「こがらし」の箇所から、季節が冬であることを示す。「狂句」の意義について議論は多いが、「正式の連歌に対する俳諧の意」と捉えるのが通説である。狂句と木枯の関係においては、「狂句」の二字を先頭におき、次に「こがらし」を続けることによって、この句の“俳諧性”を特に強調したかったという見方がある。「狂句」を句中の語としながら、実際は句外の語として扱う解釈が多い中で、「狂句」と「こがらし」を二つ合わせ持つことで、狂句を詠みながらこがらしに吹かれて旅する芭蕉の姿を映し出している。それは決して辛い思...

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