1980年代、日本の経済は絶頂期だった。その絶頂期の中で、金融機関が融資の際に抵当権制度を積極的に利用した。
ところが1990年代にバブル経済は崩壊し、急激に低成長経済になった。
そこで、各金融機関が多額の不良債権を抱えるようになっていき、不良債権の処理が大きな問題となるに至った。
そして、抵当権の実行における執行妨害が社会問題化し、抵当制度が機能しなくなってしまった。
もちろん、執行妨害を排除しようと試みがなされたが、その試みはなかなか上手くいかなかった。そこで、最高裁はついに実体法の規範の基準を変える方向へと至ったのである。
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金融法まとめレポート
1.抵当権制度の変遷
1980年代、日本の経済は絶頂期だった。その絶頂期の中で、金融機関が融資の際に抵
当権制度を積極的に利用した。
ところが1990年代にバブル経済は崩壊し、急激に低成長経済になった。
そこで、各金融機関が多額の不良債権を抱えるようになっていき、不良債権の処理が大き
な問題となるに至った。
そして、抵当権の実行における執行妨害が社会問題化し、抵当制度が機能しなくなってし
まった。
もちろん、執行妨害を排除しようと試みがなされたが、その試みはなかなか上手くいかな
かった。そこで、最高裁はついに実体法の規範の基準を変える方向へと至ったのである。
2.民法改正・1990年代に生じた問題の処理としてなされたもの
現行民法は120年前に作られたものであり、現在とまったく異なる経済態様を基に規定
が作られた。
90年度の抵当制度の展開としては、滌除制度(封建時代の名残を色濃く残した制度、用
益権を非常に保護する形)の廃止や、短期賃貸借制度の廃止がなされた。
なお、短期賃貸借制度が廃止後、新たに建物の明渡猶予制度が導入された。
こ...