冷却水系のトラブルへの対応0908AZ

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    資料紹介

    冷却水のトラブルへの対応策をごく簡単に述べています。工場の管理上で重要な管理指標を端的に解説しています。

    資料の原本内容

    冷却水系のトラブルへの対応
    冷却水系のトラブル
    スケールが配管内に付着して、配管が閉塞し冷却水の循環がうまくいかない。
    冷却水に藻が発生し、衛生的でない、配管の閉塞や冷却塔でのスラッジ堆積がある。
    鉄さびが発生し、配管の腐食や錆こぶによる配管の閉塞がある。
    スライム(ゼリー状の菌類の代謝物)が発生し、冷却塔や配管が閉塞する。
    バクテリアが発生し、レジオネラ菌増殖の危険性がある。
    まずは調査の実施  (水質分析項目などは別表の管理基準を参照)
    スケール対策の調査 : 水質分析、配管の閉塞状況の把握、洗浄剤の検討、スケール抑制剤、分散剤の検討。
    藻発生対策の調査 : 水質分析、冷却塔充填材の汚れの把握、殺菌剤の検討。
    鉄さび対策の調査 : 水質分析、配管内の錆発生状況の把握、錆除去又は腐食防止の判断。
    スライム対策の調査 : 水質分析、スライム発生状況の把握、除去対策、殺菌剤、スライムコントロール剤の検討。
    バクテリア対策の調査 : 水質分析、レジオネラ菌対策検討。
    調査の後、対策のとり方
    各注入薬剤の選定検討 :  スケール抑制剤、殺菌剤、分散剤、錆除去剤、腐食防止剤、スライムコントロール剤など
    薬剤注入の効果の確認
    補給水量の調整
    冷却塔、コンデンサー、配管に対する措置の検討 :
    # 各処の薬剤による洗浄
    # 配管や充填材の交換
    # 補給水水質の向上、軟化器の設置
    # 循環水水質の向上、循環水系フィルターなどの設置
    4.冷却水の水質管理に関して
    冷却水の管理基準
    水質項目 基準値 適切な薬剤による
    調整後の基準値 影響 腐食 スケール 基


    目 pH  (25℃) 6.5~8.2 6.5~8.7 O O 電気伝導率(25℃)(μS/cm) 800以下 2000以下 O O 塩化物イオン  (mgCl/L) 200以下 400以下 O 硫酸イオン  (mgSO4/L) 200以下 400以下 O 酸消費量 (mgCaCO3/L) 100以下 400以下 O 全硬度  (mgCaCO3/L) 200以下 700以下 O カルシウム硬度(mgCaCO3/L) 150以下 500以下 O イオン状シリカ(mgSiO4 /L) 50以下 200以下 O 参考
    鉄       (mgFe/L) (1.0以下) 1.5以下 O O 硫化物イオン  (mgS/L) (検出しない) 検出しない O アンモニウムイオン(mgNH4/L) (1.0以下) 1.0以下 O 他 総有機物量TOC (mgC/L) ― ― 藻、微生物 微生物量   (CFU/ml) ― 1000以下 スライム その他: レジオネラ菌;作業員の健康障害を起こす。栄養源を断つ処理が有効。
    各水質管理項目の冷却水系での意味
    pH : 炭素鋼配管では、酸性で腐食傾向、アルカリ性でスケールの付着傾向である。銅管では、酸性アルカリ性とも腐食傾向である。
    電気伝導率 : 水中の溶解塩類の量を相対的に示す。酸化塩類が多ければ腐食性であり、アルカリ塩類が多ければスケール発生につながる。
    塩化物イオン、硫酸イオン : ともに酸化性の塩類なので金属の腐食に作用する。
    酸消費量(M‐アルカリ): 硬度成分の量に順じており、スケールの付着傾向を示す。
    イオン状シリカ : シリカ成分のスケール付着性を示す。
    鉄 : 配管である鋼管の溶出の度合いを示し、管材腐食の指標となる。また錆こぶがスケールを助長する原因となる。
    硫化物イオン : 酸化性の強い硫化物は腐食の原因である。
    アンモニウムイオン : 腐食の進行と微生物の栄養源の量を示す。
    TOC : 水中の微生物や藻類の増殖による代謝物、またその栄養源の量を示す。
    調査の参考にしてください。
    2009年8月
    東都

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