Ⅲ.ゲルろ過法
目的
タンパク質の分離・精製の有力な手法であるゲルろ過法を用いて、酵素原液に含まれるタンパク質を、分子量既知のマーカー酵素とともに分離する。酸性ホスファターゼの溶出パターンを全タンパク質の溶出パターンと比較することによって、酵素精製の基本概念を修得する。さらに、分子量既知マーカーの溶出パターンとの比較から、酸性ホスファターゼの分子量を推定する。
方法
教科書Ⅴ-15~17の方法に従って行った。
ただし分子量既知のマーカーによるキャリブレーションは行わず、マーカー溶液500 μl+酵素原液1 ml+2N NaCl 50 μlを遠心して得られた上清を展開試料とした。
実験結果
3-1.実施条件
・カラム内径:1.5 cm
・ゲルの高さ:77.5 cm
・ゲルの容積:0.75×0.75×π×77.5≒136.9(ml)
・流速:およそ0.5 ml/min
・フラクションチューブの乾燥重量:No.2~6合計43.35 g
・フラクションチューブの乾燥重量+溶出液重量:No.2~6合計66.14 g
分画容量 (66.14-43.35)÷5=4...