初等国語科教育法 【2単位目】
1.文学的文章(童話)の学習指導を適切にするため、作品研究・学習指導研究(想定)を実践的に行う。
初等国語科教育法
【2単位目】
2
・作品の主題は、作品の構造をとおして実現される。
・子どもたちを学習材の構造が見える「場所」に立たせ、作品の表現や構造について考えさせる。
・できごとや事柄などの素材を主体とし、価値の部分は読者(子どもたち)の自由に委ねる。
3 「ニコラス、どこに行ってたの?」
①学習材観
ニコラスの心情を追う中で、気持ちの変化に気づくことが重要である。初めは鳥たちに敵対心を抱いていたが、3羽のひなと母さん鳥との出会いによって、その気持ちに変化が現れる。ある朝、その鳥たちがいなくなったことに気がついたニコラスは、大好きな野いちごが目の前にあるのに食べることができない。「友だち」がいないことがさびしかったのだ。最後の場面で、再び鳥の親子が現れる。その時にみんなで食べた野いちごが「大ごちそう」だったのは、「友だち」がいて「野いちご」があったからである。
鳥の親子がいなくなった時に、野いちごを食べることができなかったニコラスの心情から、友だちの大切さを考え、現在の自分の生活に置き換えてもらいたい。普段、何気なく送っている学校生活の中でも、友だちがいてこそ楽しかったり、...