「1-5(P.18~21)の事例について、社会福祉機関、施設、援助者による社会福祉活動で留意すべき点について述べよ。」
冬田春子氏(87歳、女性)は認知症の高齢者である。1906年に出生し、1921年頃に東京で結婚。夫を亡くしてからは、働き詰めの生活だったという。一人暮らしをしていたが、6年前に次男家族と同居し現在に至る。生活状況は、昼夜を問わず、何回も外に出て行こうとするので家族が押し止めている状態であり、次男夫婦は、常に春子さんから目が離せない状態にある。食事、歩行以外は一部介助が必要。警察にも2回保護されたことがある。心臓機能障害によりペースメーカーを挿入する心臓手術を行う為に入院をするが、入院中に徘徊や幻覚が出現するという問題が起こった。
高齢者にとって環境の変化は、健康に著しく影響を及ぼす(つまり、悪化・進行する)ので特に注意が必要である。
1992年、痴呆症の進行、徘徊、物忘れが強まる。1993年、徘徊、物忘れが激しくなり、夜間せん妄が激しくなる。
入院中にせん妄を生じる患者数は予想以上に多く、統計により全入院患者の14%から56%と報告されている。せん妄があると、意識障...