中国の民話についての考察

閲覧数1,930
ダウンロード数6
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    この一年間、モンゴルの英雄叙事詩における、隠喩について勉強してみた。このレポートでは、自分の専攻分野である中国の民話の中に見られる民族性や、日本の民話との類似性、そして中国の民話における重要なモチーフについて、自分なりに考察してみたいと思う。
    その前に、まず「中国人」と一くくりにはできないので、このレポートでとりあげる中国の民族について定義しておきたい。現在、中華人民共和国の中には人口の80%を占める漢族と、55の少数民族がいる。この少数民族の中には、モンゴル族も含まれている。今回、このレポートで取り上げる民話は、人口の主な割合を占める漢族の間に伝承されている民話を取り上げたいと思う。
    中国の民話にはさまざまなものがある。貧乏人がとんちを効かせてお金持ちになるもの、不思議な生き物(竜や、話すイカ、サメ人など)が出てくるもの、妖怪に捕らわれた姉妹を助けに行くもの、何かの由来を説明したものなどである。このような中にはとんちで上手く場を切り抜けたり、竜宮に行ったりとどちらかといえば日本に伝わる民話と似通っているものも多く存在する。
    例えば「大ぼらふき」という民話では、ある村に強欲のお金持ちがおり、人々の恨みをかっていた。そこで、その村の人々が金持ちを懲らしめようと知恵を借りに大ぼらふきのところに来る。そして、うまくほらを吹いていく、という話なのだが、日本の民話と違うところは、最後には大ほらふきは金持ちを海の中に沈めて殺してしまう、というところである。最初のうちは、「この鍋に入れればすぐ煮える」といって鍋を渡し、客人を呼んだパーティで恥をかかす、といった程度の嘘なのだが、中盤辺りから嘘の程度が酷くなってくる。恥をかかされた代わりに金持ちが大ぼらふきを捕まえ、海辺の木にくくりつける。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    中国の民話についての考察
    この一年間、モンゴルの英雄叙事詩における、隠喩について勉強してみた。このレポートでは、自分の専攻分野である中国の民話の中に見られる民族性や、日本の民話との類似性、そして中国の民話における重要なモチーフについて、自分なりに考察してみたいと思う。
    その前に、まず「中国人」と一くくりにはできないので、このレポートでとりあげる中国の民族について定義しておきたい。現在、中華人民共和国の中には人口の80%を占める漢族と、55の少数民族がいる。この少数民族の中には、モンゴル族も含まれている。今回、このレポートで取り上げる民話は、人口の主な割合を占める漢族の間に伝承されている民話を取り上げたいと思う。
    中国の民話にはさまざまなものがある。貧乏人がとんちを効かせてお金持ちになるもの、不思議な生き物(竜や、話すイカ、サメ人など)が出てくるもの、妖怪に捕らわれた姉妹を助けに行くもの、何かの由来を説明したものなどである。このような中にはとんちで上手く場を切り抜けたり、竜宮に行ったりとどちらかといえば日本に伝わる民話と似通っているものも多く存在する。
    例えば「大ぼらふき」という民話では...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。