目的
囚人のジレンマ場面において、しっぺ返し方略を続けた場合と、4回中3回は裏切る裏切り中心方略を続けた場合により、相手の反応がどう異なるか、相手の得点がどう異なるか、自分の得点がどのように異なるかを検討する。
一般論の囚人のジレンマは、両者がそれぞれ「協力」「裏切り」の性質をもつ行動を自由に選択することができる。それぞれの個人は、相手の選択に関わらず、「協力」よりも「裏切り」を選択することで、より大きな利益を得るが、双方が「裏切り」を選択すると、双方が「協力」を選択した場合よりも、得られる利益は小さくなる、という仕組みである。
田岡・辻(1999)に、囚人のジレンマの由来は次のようなことからきていると述べられている。独居房に隔離され、交渉することのできない状態の二人の共犯者に、当局がどちらかの余罪も含めて罪状をすべて先に自白した方の罪を軽減するが、自白が遅れるか、拒否した方には罪を加重すると申し渡すとする。このとき、共犯者のどちらとも自白しなければ、ともに軽い罪ですむにもかかわらず、両者とも先を争って自白してしまうという、不利益な結果をもたらす場合が存在するということである。
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