日本の国内では、厳しい経済・財政状況を反映して、2002年度ODA予算は対前年度比10.3%減、2003年度は対前年比4.3%減となっている。最新の予算案でも前年比3.8%減の見通しで、16年ぶりにODA予算が8000億円を割り込むことはほぼ確定となった。1兆円を越えていた日本のODA援助額はアメリカに並んで世界最大規模の支出額を誇ったが、国民の不信と批判にさらされ、6年で2割以上削減という大幅な削減を余儀なくされている。
では今後、ODAに対して日本はどのような対応が必要なのか。それには大きく5つのポイントがあると考える。
1・戦略的アプローチ
現在の日本のODA状況に対し、来日する多くの外国政府の閣僚や国際機関の長は、日本のODAが今後とも実質的役割を果たすよう期待を表明している。
「ODAの創始国」アメリカには、自国民の利益につながる一貫したODA戦略と、その目的や成果を問う活発な言論状況が存在している。翻って、日本のODAには一貫した理念や政策も、実施を規定する法律も見当たらない。逆に、複雑な予算メカニズムや少ない無償援助といった特異さが目立つ。国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指す日本にとって、ODAは「重要な外交手段」だとも言われている。ODA予算の「下げ止まり」を対外的にアピールしようとはいているものの、実質が伴っていない以上、見掛け倒しの戦略でしかない。
重要なのは、適切な時に、正しい国々の正しいプロジェクトに援助を供給することを目指した戦略のアプローチである。
2・対中援助
認知も感謝もされていない、総計三兆円超の対中ODA。援助が大都市のインフラ整備に集中し、貧しい村へは届かない援助になっていることは明確である。
日本の国内では、厳しい経済・財政状況を反映して、2002年度ODA予算は対前年度比10.3%減、2003年度は対前年比4.3%減となっている。最新の予算案でも前年比3.8%減の見通しで、16年ぶりにODA予算が8000億円を割り込むことはほぼ確定となった。1兆円を越えていた日本のODA援助額はアメリカに並んで世界最大規模の支出額を誇ったが、国民の不信と批判にさらされ、6年で2割以上削減という大幅な削減を余儀なくされている。
では今後、ODAに対して日本はどのような対応が必要なのか。それには大きく5つのポイントがあると考える。
1・戦略的アプローチ
現在の日本のODA状況に対し、来日する多くの外国政府の閣僚や国際機関の長は、日本のODAが今後とも実質的役割を果たすよう期待を表明している。
「ODAの創始国」アメリカには、自国民の利益につながる一貫したODA戦略と、その目的や成果を問う活発な言論状況が存在している。翻って、日本のODAには一貫した理念や政策も、実施を規定する法律も見当たらない。逆に、複雑な予算メカニズムや少ない無償援助といった特異さが目立つ。国連安全保障理事会の常任理事国入...