英語と日本語の文法構造または語彙構造を比較対照し、両者の違いを論ぜよ。
日本語の「は」「が」を、英語の冠詞「a」「the」と比較してみる。まず「は」と「が」の用法について見てみるため、以下の二つの例文をあげてみる。
a、大阪は水の都です。
b、大阪が水の都です。
aとbの意味の違いを考えてみる。それぞれに対する質問文は「大阪は水の都ですか?」、「日本のどこが水の都ですか?」と考えられる。aにおいては、「大阪」は質問文の中で既に出てきている情報であり、それを再び回答文aの中で出してきている。bの場合、回答文の中で初めて「大阪」という情報が出てきている。まず「は」と「が」の意味の違いについてあげるならば、既知の情報と未知の情報を示す働きがあるということが言える。
日本語は会話の置かれた状況により、十分理解できる事柄ならばどんどん省略が発生する言語であるが、英語はそうはいかない。たとえば、昼間に自分の妻の友人が自宅に遊びに来る予定になっており、その日の夜、帰宅した後、夫が妻に「今日来たの?」と言えばわかるのである。しかし英語では“Today,came?”とは言えない。日本語の場合、そこに...