※課題 中学校の古文の学習指導における、敬語の種類と敬語指導の重要性について述べなさい。
まず最初に、中学校における古文指導は、生徒の古文に対する親しみの態度を養うところにある。そのためには古文のもつ独特のリズムになれることや、表現の仕方、文章の特徴に目を向けさせたりすることが重要であり、そのことによって古文の理解の基礎も築かれるのである。
現代語においても同様であるが、日本語は主語がなくても文が通る言語であるといわれている。だが、その一方で、主語が省略されているなどして、物語においてどのような人物が登場し、人物が何を行っているかが判明しづらいということも指摘される。特に、古文に慣れていない中学生の場合は、古文の文章を読みこんでも誰が何を行っているかが分からず、内容も理解できないということが多々あるのである。これは、生徒の古文に対する親しみの態度を育てるという観点からもあまり芳しいものとは言えない。
そこで、文の主語を理解するため、また、内容理解を促進させるために敬語の使い方を指導しておくことが重要となる。具体的な例文を『源氏物語』の「桐壷」より用いて検討してみたい。
いづれ...