『石橋湛山評論集』(岩波文庫)をまとめたものです。
『石橋湛山評論集』(松尾尊兊編、1984第一版、岩波文庫)カッコ内p数は本書のもの
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石橋湛山の評論
○大日本主義 について…「大日本主義の幻想」(『東洋経済新報』大正10年7月30日、8月6日、13日号「社説」など)
←石橋は、大日本主義の主張 を「幻想」であり、かつ「目の前の小欲に囚えられ、大欲を遂ぐるの途を知らざる」 としてその価値のなさを説く。
…日本本土以外の植民地経営は経済上 、軍事上でも価値がなく 、植民地を保持しようということそれ事態が四隣の異民族異国民 を敵にすることであり、また欧米諸国からも敵視される ため、、国防上でも危険であり、利益とはならない。また、植民地の開放独立が時間の問題である今こそ 、自ら植民地を手放すことによって、欧米列強に対して道徳的位地を示すことができ、四隣の異民族異国民からの道徳的後援を受けられるため 、日本が大日本主義を棄てること(大日本主義無価値論)こそが必要である。
→この大日本主義無価値論と同様の論調は、早くは青島領有 の頃(大正3年)から見...