『学習指導要領の変遷について』
学習指導要領とは、文部科学省が作成する文書で、小中高校及び養護学校などの教育内容と教育課程の要領・要点を記したものである。学習指導要領は、我が国の戦後教育改革の流れの中で社会の変化や教育に対する要請を反映し、ほぼ10年ごとに改訂され、その内容は「見る・聞く・話す」を中心とした『経験主義』か「読み・書き・計算」を中心とした『系統主義』のどちらを重視するかで大きく変化してきた。以下に学習指導要領の歴史的変遷について述べる。
1947年、戦後の混迷から民主教育へと移行すべく、教育基本法および学校教育法が公布され、並行して最初の学習指導要領が制定された。正式名は『学習指導要領 一般編(試案)』となっており、この時点では学習指導要領によって画一的な教育が意図されたのではなく、あくまでも手引き書扱いに過ぎなかった。教科書から戦意高揚に関する記述の廃止、画一的教育から生徒の自発性を重視した、児童中心主義の教育へ転換することが念頭におかれ、教育課程に関しても現場の裁量に委ねられていたが、「修身」の廃止や、「社会科」、「家庭科」の新設など一定の基準は設けられていた。
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