『ハヴィガーストの発達課題について述べよ。』
「発達課題」とは、人間には発達に応じた課題があるということを意味する。「発達課題」という考えは、ハヴィガーストがその著『人間の発達課題と教育』において、「個人が学ばなければいけない諸処の課題、すなわち生涯の発達課題は、我々の社会において健全な成長をもたらすのである。発達課題は、個人の生涯に巡り色々の時期に生ずるもので、その課題を立派に成就すれば個人は幸福になり、その後の課題も成功するが、失敗すれば個人は不幸になり、社会で認められず、その後の課題の達成も困難になってくる」と述べている。この発達課題という概念は、教育に関するふたつの対立する概念の中間領域に位置しているとしている。すなわち、子供は可能な限り自由にされるともっともよく発達するという自由理論と、子供は社会から課せられる拘束によって責任を持つ立派な大人になることを学ばなければならないという拘束理論である。発達課題は個人の欲求と社会からの要請の中程にあるといえる。
またハヴィガーストは、発達課題という考えが教育にとって2つの理由で有益であるとしている。1つは、学校における教育目標を発見...