米文学研究
『ソートン・ワイルダー作「わが町」の「舞台監督」の役割について、具体例を挙げながら述べよ。』
本来の役割
・『わが町』の舞台監督は、本来の役割である小道具などの配置や移動を観客の前で行う。
・小道具の配置が終わると舞台監督は観客に直接語りかけ、劇が始まる。
語り手としての舞台監督
・舞台監督は、劇中で語り手として何度も登場する。
→登場人物たちの背景や、時間の流れを観客に教える。
・時には劇を止めたり、時間を逆回転させたりしながら物語を展開していく。
・このように語ることで舞台監督は劇の進行させていく。
・舞台監督は、観客(現実世界)と登場人物達(虚偽の世界)を繋ぐ役割を果たしている。
登場人物としての舞台監督
・舞台監督は登場人物にまじって様々な役を演じ、劇を進行させていく。
・ドラッグストアの店主や牧師を演じる。
・(ジョージとエミリーの結婚の場面)
→エミリーが結婚に不安を感じているとき、舞台監督は結婚式へと進む流れをいったん中断し、
その間にジョージとエミリーが初めて愛を知った場面を挿入する。
→そして店主や牧師を演じエミリーの不安...