英文学研究
『エリオットの詩の中のアメリカ性について述べよ。』
・T.S.エリオットはアメリカ人で生まれ育った詩人である。
→しかし、「彼はアメリカ詩人であったか?」という問の答えは、「否」である。
→エリオットは38歳の時、英国国教会に改宗してイギリス市民となった。
・エリオットは、世界的現代詩人としてヨーロッパで活躍を続けた。
・現在、エリオットを単にアメリカ詩人と規定する人はほとんどいない。
→しかし、彼が樹立した文学的業績のほとんど全てに、
幼い日と教育を受けた日々のアメリカニズムが色濃くにじみ出ている。
・エリオット自身も、自分の詩をイギリス的と言うよりはアメリカ的であると見た。
・その源、また情緒的なルーツにおいて、その詩はアメリカに由来していた。
・それは、故郷であるセント・ルイスで繰り広げられた非凡な家族の営み、
宗教、彼を育んだ母なる大地との絆である。
・エリオットの詩のアメリカ性について論じるには、その詩の心象風景が手がかりとなる。
『ザ・ドライ・サルベージズ』、
・エリオットの詩の終着点であり最高峰と言われている『四つの四重奏曲』にま...