(1)目的
保存力の下での運動は、力学的エネルギーが保存されることを、実験的に検証する。
(2)理論
重力など保存力の場における運動では、位置エネルギーと運動エネルギーとの和は不変に保たれる。これが力学的エネルギー保存則である。
(ⅰ)振り子運動(単振り子の運動)
振り子の運動を考える。先端に小物体(質量 )があり、ひもの方向に張力と鉛直下方に重力が作用している。もし、振り子のひもは伸びないものとすれば、張力は仕事をせず、小物体に仕事をするのは保存力である重力 のみである。今、この物体が高さ にある時の速度を 、高さ (振り子の最下点)での速度を とすると、
と、表わすことができ、任意の点での位置エネルギーと運動エネルギーの和は一定であることを示している。つまり、力学的エネルギー が保存されているということである。
(ⅱ)斜面の転がり運動(回転をともなう運動)
質量 、半径 の一様な球体がすべることなく、水平面と の傾きをなす斜面を転がる運動を考える。斜面の転がり運動の場合、振り子運動と違い、回転による運動エネルギーも考慮する必要がある。全運動エネルギーを としたとき...