B. Russell: Knowledge and Wisdom,1954 要旨邦訳
ほとんどの人々が、現代は知識ではどの時代よりも優れているが、知恵は相関して増加してこなかったことに同意するでしょう。しかし、私たちが「知恵」を促進する手段を考え定義し試みればすぐに同意はやみます。私は、最初に知恵が何であるかを尋ね、そして、それを教えるために何ができるかを教えたいと思います。私の考えでは、知恵の一因となる要素がいくつかある。知恵に役立つ第一要素は、最初に均衡感覚を置くべきです。つまり、どんな問題においても重要な要素はすべて見落さない能力と、それぞれの要素にかけるべき比重を忘れない能力とである。これは様々な種類の技術者に広く複雑な専門知識を要求するようになったためもっと難しくなりました。仮に、医学における研究に従事しているとしましょう。仕事は大変で、あなたの知的エネルギー全部を吸収する様です。あなたには、あなたの発見か発明が医学の分野以外に与えるかもしれない影響を考える時間はありません。あなたが、近代医療が成功しているとして、(例えば)幼児の死亡率を大きく下げる事に成功した。ヨーロッパ...