知的障害の原因とその行動特徴について述べよ
⇒知的障害は一つの疾患単位ではなく、精神機能の全ての領域において遅滞があることを主徴とする状態のことをいう。知的障害の定義は①知的機能の平均値以下の状態、②適応障害の状態が平均以下の状態 ③それらの要件が発達期に発現する。この3つの要点で知的障害は定義される。適応行動は、年齢や社会文化の相違により、適応行動の障害をどこにおくかである。領域は年齢により異なる。
知的障害児・者は知的能力と社会能力に障害があることが共通するのみで、一人一人異なった人格をもっていて、異なった要求を持っている。能力の領域間においても不均衡さが認められることがある。
知能の障害をおこす要因は生理的要因、病理的要因、社会環境的要因の三つに分けられる。これの要件は重なりあうこともある。
生理的要因
知能をIQで代表させて検討すると、家族的にその血縁的近さにより一定の傾向は見られる。IQが多遺伝子により決定される精神遅滞の群を、家族的あるいは、生理的精神遅滞といい、この群は、病的遅滞とは一般に考えられず、IQもほとんど50~70に分布する。
病理的要因
染色体異常、...