教育の社会低機能に関する社会学的諸見解について述べる。
教育の社会低機能に関する社会学的諸見解について説明しなさい。
教育社会学の諸理論を大きく分類すると、マクロ理論とミクロ理論の2つになる。この内、マクロ理論を代表するものとして、機能主義理論と葛藤理論(闘争理論)がある。ミクロ理論は相互作用理論が代表的である。これらの代表的理論を、アメリカのコールマンが行った調査と対応させて整理する。そもそもこの調査は、1960年代に合衆国の公立教育機関で、教育機会の不平等があるか明らかにするため、初等・中等学校における黒人や少数民族の学力が、人種差別教育によってどのような影響を受けているか調べるものであった。当時白人との間に大きな学力水準格差があった為、教育上での人種差別が原因だと思われていた。したがって、教育を受ける機会は誰にでも平等に開かれるべきだ、という点と、誰もがその能力に応じた社会的地位を占め結果として社会全体が活性化するのに効率が良いという点で、学力格差を縮め人種差別をなくす事が不可欠だとした。この考え方が機能主義理論に当たる。そしてこの調査結果は、人種間の学力格差は1年生のときから既にあり、学年が上がる毎にその差が拡大して行ったという予想...