現在、学校・家庭・地域社会の三者の連携と協力による教育への取り組みが求められている。ではなぜ、三者は連携と協力を進めなくてはいけないのであろうか。また、どのように連携と協力を進めればよいのであろうか。
まず、戦後、日本社会における家庭と地域社会の変貌について考えて見たい。戦後の家庭の変化については、主に少子化、核家族化などが挙げられる。1947年の合計特殊出生率は4.32人だったが、1973年には2.14人、2006年には1.32人と減少している。また、核家族とは夫婦と未婚の子供からなる家族のことである。その全体数自体は、戦前と戦後ではそれほど急激な変化があるわけではないが、その中身が変化しているのである。戦前は、本家を長男継ぎ、家に嫁を迎え入れ、子どもを産み3世代家族が形成されていたが、跡継ぎ以外の家庭は核家族が多かった。これに対して、現代では、結婚は家に入るというよりは家から出て新たな家庭を築くという意識が強く、その結果、子、親、祖父母の3世代で生活をする3世代家族が少なくなっているのである。また、戦後の高度成長により、第三次産業の増加や過度の残業、単身赴任などにより、父親が家...