中学・高校における生徒指導の原理は何か、また、
その際に留意しなければならないことは何か、説明せよ。
教育における最大の目標は、子ども一人ひとりの人格の完成にあり、生徒指導もこの達成のために機能する教育活動の一つである。
1965年に発刊された文部省(当時)の『生徒指導の手びき』は、生徒指導の概念を統一し、一定の方向性を示した。これによると、生徒指導とは、教科指導と並ぶ重要な教育機能を持つ活動で、学校教育の全般にわたって、「すべての生徒のそれぞれの人格のより良き発達を目指すとともに、学校生活が生徒一人一人にとっても、また学級や学年、更に学校全体といった様々な集団にとっても、有意義にかつ興味深く、充実したものとなるよう」指導する営みである。また生徒指導の基礎となる人間観につき「人間の尊厳という考え方に基づき、ひとりひとりの生徒を常に目的自身として扱うことを基本とする。これは内在的な価値をもった個々の生徒の自己実現を助ける過程であり、人間性の最上の発達を目的とするものである」としている。さらに生徒指導の原理として次の4点をあげている。まず①自己指導の助成のための方法原理においては、欲...