■日本の労使関係の特徴について
労使関係とは資本主義社会における資本と賃労働、資本家と労働者との基本的な矛盾・対抗関係のことを言う。その中心は労働組合と使用者または経営者およびその団体との関係である。労使関係という概念は、経営権という概念とともに第二次世界大戦後、労働組合運動を体制内運動として管理しようとする独占資本の意図を反映して使用され、普及され、普遍化された。
第二次世界大戦後、日本の労働組合組織は、事業所ごと企業別に組織されたが、1946年8月、全日本産業別労働組合会議の結成と指導によって、早急に産業別単一労働組合への発展を指向した。しかし、アメリカ占領軍と政財界一体の政策によって阻止された。1960年代半ば、高度経済成長を背景とした「終身雇用」「年功賃金」に支えられ、大企業を中心に労使協調主義的な「企業別組合」が定着した。
「企業別組合」は、産業別・地域別に全国的な上部団体に加盟しており、独自の規約、方針、財政、役員をもつことから、その視野は企業内に限られがちで、労働力取引の企業を超えた横断的交渉や階級的共同行動が取りにくいという組織的弱点がある。
企業別組合が普及し...