教師が生徒の心理的問題やカウンセリング法の知識をもっていると、どのようなことに役に立つのかということを、学校におけるカウンセリングの役割や具体的内容を考察しながら考えていく。
カウンセリングとは、人の心理や発達の理論に基づく対人援助活動であり、個人の成長を促進し対人関係の改善や社会的適応性を向上させることである。学校教育においても、カウンセリングとは、児童生徒の心理的な発達を援助する活動であり、児童生徒の人格形成や様々な問題解決に有効であり、「生きる力を育てる」や「心の教育」等の学校教育の目標と同じ目的の活動である。従って、学校で行うカウンセリングとは、教師がおこなう教育活動の一環なのである。
カウンセリングの種類は、大きく分けて2つあるとされ、一つは専門知識をもったプロ意が行う原因を追求し病気を治療する治療カウンセリングである。もうひとつは、問題を抱えている児童生徒と関わり、児童生徒の問題を解決する力を引き出すことを援助する教育カウンセリングである。生徒の発達的な側面に注目して、一人ひとりの全人的な発達を目指す教育カウンセリングは、一般の教師が行う学校カウンセリングではより実践的...