・はじめに
近年の日本プロ野球界の人気不振の影響は、遂に球団合併という形で世に現れだした。2004年の野球界は、まさにこれまでの野球界のあり方を問い直す議論を進めるための起爆剤を得たのだ。しかし、合併や新規参入で当面の事なきを得たものの、いまだ根本原因である人気低迷の打開策は打ち出されていないように思われる。当レポートでは、翳りある日本野球人気と、対照的に思われるサッカー人気、その両者の相違点から野球人気の復活のための打開案を探りたいと思う。
・野球とサッカーの行為の違い
片や人気がなく、日本リーグでさえ客が入らない野球界と、国内・海外の違いなく親しまれているサッカーとでは、一体どのような違いがあり、人気に影響しているのだろうか。ここでは、その行為について検証してみる。まず競技人数は、野球は9人制で、サッカーは11人、単純に人数だけ見るとサッカーの方が「やりづらい」。というのは、人数に関してはその競技を行う本人達、つまりプロ選手であるが、野球の競技人数の「少なさ」が人気に影響しているとは考えにくい。また、競技を行うのはなにもプロ選手だけではなく、子ども達や一般にも、この二つはポピュラーなスポーツである。確かに近年のサッカー人気で、サッカーの一般競技人口は増えていて、人気があがるのかもしれないが、依然野球を「する」行為の人気が衰えているとは思えない。つまり、野球やサッカーを「する」ということに関しては、プロスポーツ界の人気への影響はわずかであるのではないかということである。ならば、プロスポーツを「見る」行為に絞って比較してみようと思う。次に競技場所についてだが、野球は都市中心部に競技場が多く、事の発端となった西武球場の「遠さ」だが、サッカー競技場に関しても、東京近郊でみても府中の味の素スタジアム、や神奈川関内にも競技場があるが、やはり都心からは少々離れているため、この「遠さ」も直接的な原因とは考えられない。
日本プロ野球人気低迷とポストモダン的経営
・はじめに
近年の日本プロ野球界の人気不振の影響は、遂に球団合併という形で世に現れだした。2004年の野球界は、まさにこれまでの野球界のあり方を問い直す議論を進めるための起爆剤を得たのだ。しかし、合併や新規参入で当面の事なきを得たものの、いまだ根本原因である人気低迷の打開策は打ち出されていないように思われる。当レポートでは、翳りある日本野球人気と、対照的に思われるサッカー人気、その両者の相違点から野球人気の復活のための打開案を探りたいと思う。
・野球とサッカーの行為の違い
片や人気がなく、日本リーグでさえ客が入らない野球界と、国内・海外の違いなく親しまれているサッカーとでは、一体どのような違いがあり、人気に影響しているのだろうか。ここでは、その行為について検証してみる。まず競技人数は、野球は9人制で、サッカーは11人、単純に人数だけ見るとサッカーの方が「やりづらい」。というのは、人数に関してはその競技を行う本人達、つまりプロ選手であるが、野球の競技人数の「少なさ」が人気に影響しているとは考えにくい。また、競技を行うのはなにもプロ選手だけでは...