教師の仕事として、第一に挙げられるのは教科指導であろう。教科指導とは教科の学習指導のことであり、学力を形成するところに目的がある。従来、教科指導の方法をめぐって、系統学習の指導法と、問題解決学習の指導法とが対立していた。系統学習は、知能や技能などを系統的・構造的に順序正しく学ばせる方法であり、教員を中心に効率的に教えていくことができる。しかし、児童生徒にとっては受動的な学習となり、創造力や思考力の育成と言う面で問題がある。一方、問題解決学習は、児童生徒が現実生活の中の問題を取り上げ、それを解決していく過程で実践的知識や思考力、判断力を身につけていくため、創造力や思考力の育成には適している。しかし、基礎学力や系統的知識の習得が困難で、あまり効率的でないという問題点がある。そして、教科指導において、教師が留意すべき点は、この系統学習と問題解決学習の両方の長所を取り入れ、いかに指導の現場に反映させていくかと言う問題であろう。近年は、系統学習を基本として所々に問題解決学習が加えられている。今後においても、授業の目標や内容に即した形でより適切な指導法を取り入れていくことが望まれる。
続いて二つ目...