数学教育の目標と評価について述べ,それらを自分の視点で考察せよ。
数学の目標は大きく分けて「国が定める基準としての目標」,「数学教育学研究の立場からの目標」,「海外の教育との関係における目標」の大きく3つに区分できる。
国が定める基準としての目標では,中学校や高等学校の学習指導要領等において,学習を通じて数学を現実の事象に適用する力や有用性を認識し,積極的に取り組んでいく態度の育成が掲げられている。学習指導要領はその時代や社会背景により改訂されてきており,法的な効力をもつ学習指導要領が示された昭和33年以降,詰め込みからゆとりへと変貌を遂げてきた。今回,改定された学習指導要領では算数科の目標に「算数的活動を通して」,「活動の楽しさ」という言葉が追加されている。また,中学校でも「数学的活動の楽しさ」が追加され,高等学校では「数学的活動を通して創造性の基礎を培う」という言葉が追加されている。「算数的・数学的活動」,「活動の楽しさ」については,目標の重要な構成要素として位置付けるこれらは,従来も強調されてきたことであるが,実態はそれとかけ離れたものであったため,それらをさらに強調して指導し...