それぞれの時代の特色と共に簡略に記せ。そして、今日の教育改革で求められている教師像についてふれよ。
日本の近代学校は明治5年の学制からスタートしたが、それまでの庶民教育機関として大きな役割を果たしてきた寺子屋の教師についてから述べることとする。
日本の学問は古代から中世にかけては家学というかたちで世襲制をもって伝承されていた。職業世襲にもとづく教職の独占も時代の変化とともに寺子屋の発展という形で門戸が開放されたのである。寺子屋教育は、庶民の日常生活で必須の読み・書き・算盤が主な学習の内容で、日常の学習活動は「手習い」が中心であった。
教師論 わが国の教師像の変遷について
それぞれの時代の特色と共に簡略に記せ。そして、今日の教育改革で求められている教師像についてふれよ。
日本の近代学校は明治5年の学制からスタートしたが、それまでの庶民教育機関として大きな役割を果たしてきた寺子屋の教師についてから述べることとする。
日本の学問は古代から中世にかけては家学というかたちで世襲制をもって伝承されていた。職業世襲にもとづく教職の独占も時代の変化とともに寺子屋の発展という形で門戸が開放されたのである。寺子屋教育は、庶民の日常生活で必須の読み・書き・算盤が主な学習の内容で、日常の学習活動は「手習い」が中心であった。このように庶民の現実の生活のなかで男女の別なく生きている言語と文字や数による個別学習が主体となり、更に実用的な知識や技能なりの習得を目指した教育も加わって往来物がつくられていった。教師像の特徴としては、地域に根を下ろした師匠が常に寺子一人ひとりの家職も考えて教材を自主編成しつつ、寺子の学習進度に見合った教材を提供し、教育活動をすすめていく点があげられる。
明治に入ると、「学制」が公布される。そこでは新しい教育を担うにふさ...