1. 目的
レーザー(laser)光を用いて、干渉や回折の実験から光の波動性について理解を深める。また、複スリットによる「干渉じま」、および回折格子(対物マイクロメータの目盛り線)による「回折じま」を測定して、使用したレーザー光の波長を求める。
2. 理論
? 干渉(interference)
波(波動)の干渉とは、2つ以上の波が同時に1点に到達したとき、これらの波が互いに重なり合う結果、強め合ったり、弱め合ったりする現象である。
これを式で記述すると次のようである。
x軸の正の方向へ同時に進む2つの平面を考える。
、 ・・・(1)
ここで、 は振幅、 は角振動数、 は波長、 は位相差である。
この2つの波は、重ね合わせの原理により合成される。合成波 は、
x軸の正の方向に伝わる。合成波は、
と書けるので、
ただし 、 ・・・(2)
とまとめられる。すなわち、合成波はもとの波と同じ波長と振動数であるが、振幅 と初期位相 がもとの波の位相差 の関数になっている。
波の強さは、振幅の2乗に比例するので、もとの波 、 の強さを 、 、合成波の強さを とすると、上の式から、
・・・(3)
という関係が得られる。すなわち、合成波の強さは、もとの波の強さの単純な和 にならない。第3項(干渉項)があるためである。この現象を「波の干渉」という。(3)式によれば、 を整数として、2つの平面波の位相差 が のとき合成波の強さ は最も強く、 のとき最も弱いことがわかる。この様な干渉現象は波動の重要な特徴の1つである。また、後者の場合、 ならば、合成波の強さは打ち消されてゼロとなる。
? 回折(diffraction)
波は障害物がないところでは直進するが、進路の一部に障害物があると、その幾何学的な裏側へ回り込む。この現象を「回折」といい、波動の特有な性質の一つである。
物理学実験 レーザー光の回折
目的
レーザー(laser)光を用いて、干渉や回折の実験から光の波動性について理解を深める。また、複スリットによる「干渉じま」、および回折格子(対物マイクロメータの目盛り線)による「回折じま」を測定して、使用したレーザー光の波長を求める。
2. 理論
干渉(interference) 波(波動)の干渉とは、2つ以上の波が同時に1点に到達したとき、これらの波が互いに重なり合う結果、
強め合ったり、弱め合ったりする現象である。
これを式で記述すると次のようである。
x軸の正の方向へ同時に進む2つの平面を考える。
、 ・・・(1)
ここで、 は振幅、 は角振動数、 は波長、 は位相差である。
この2つの波は、重ね合わせの原理により合成される。合成波 は、
x軸の正の方向に伝わる。合成波は、
と書けるので、
ただし 、 ・・・(2)
とまとめられる。すなわち、合成波はもとの波と同じ波長と振動数であるが、振幅 と初期位相 がもとの波の位相差 の関数になっている。
波の強さは、振幅の2乗に比例するので、もとの波 、 の強さを 、 、合成波の強さ...