親会社概念とエンティティ概念
概念の定義
親会社概念によれば、連結財務諸表は主として親会社株主のために作成されると考えられる。つまり、利害関係者とされるのは親会社株主のみである。この考えに立てば、親会社は子会社の純資産に対して未分配の持分を保有していると考えられる。この未分配の持分は、子会社に対してその少数株主が保有する持分とは区別される。したがって、この考え方に立って作成される連結財務諸表は、親会社の個別財務諸表を拡張したものといえる。これは連結財務諸表の作成にあたり、子会社への投資勘定を子会社の投資および負債に置き換えると考えるからである。
それに対して、エンティティ概念によれば、親会社株主だけではなく少数株主も利害関係者に包含される。連結財務諸表は親会社株主のためだけでなく、少数株主も含めて両持分保有者のために作成されると考えるわけである。これは、親子関係を形成している2種類の株主によって所有される企業グループ全体を1つの経済的エンティティと考え、企業集団全体の経営活動を報告しようとしているためである。
連結財務諸表での相違点
連結会社相互間での資産の売買による未実現損益の消去
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