英文学と宗教

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    資料紹介

     アングロ・サクソン人がブリタニアの支配権を握ったことにより、イギリスでの最初の宗教観が植えつけられた。アングロ・サクソン人はもともと現在のデンマーク付近の地域に住むゲルマン民族の部族であったため、北欧の神々を信仰していた。その主な思想は、地上は悪霊に満たされていて、しかも人生の運命は冷酷な運命の女神によって左右されており、いつも不安につきまとわれる信仰である。アングロ・サクソン人の侵略以前にアイルランドで広まったケルト系キリスト教のスコットランドでの布教に熱心な聖人がおり、当時の国王エドウィンがその影響を受けてキリスト教に改宗した。その後、多くの修道院が建てられその中から優れた宗教詩人が出現した。キャドモンはヨークシャーのホイットビイの修道院に入ったが、もともと僧籍もなく無学であったため、作詩をたしなむ同じ修道士たちの中でも自作の詩を発表することすらできなかったが、ある夜、突然詩才を授かって、聖書に題材をとった宗教的物語詩であり夢の中で作ったと言われる天地創造を歌った詩の他に、吟遊詩人の技法を自己の目的に巧みに適合させて神をほめたたえた『聖歌』を残した。キョドモンとは異なり、神学校で教育を受けていて特に自然描写に長じたキネウルフは新約聖書や聖者、殉教者などから話を取材し、その中にコンスタンティヌス大帝の母聖ヘレナが真の十字架を聖地に探し当てる話を扱った代表作『エレネ』がある。
     アングロ・サクソン人は聖オーガスティンによって入ってきたローマ系キリスト教と以前から根づいていたケルト系キリスト教の影響を受けることになり、その対立は激化したが、結果的にイギリスのキリスト教はローマ教会を正宗と決定した。これは宗教革命の時代まで継続される。改宗の背景としてはアングロ・サクソン人の中には統一神思想がなく、宗教組織が弱かったことがあげられよう。

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     アングロ・サクソン人がブリタニアの支配権を握ったことにより、イギリスでの最初の宗教観が植えつけられた。アングロ・サクソン人はもともと現在のデンマーク付近の地域に住むゲルマン民族の部族であったため、北欧の神々を信仰していた。その主な思想は、地上は悪霊に満たされていて、しかも人生の運命は冷酷な運命の女神によって左右されており、いつも不安につきまとわれる信仰である。アングロ・サクソン人の侵略以前にアイルランドで広まったケルト系キリスト教のスコットランドでの布教に熱心な聖人がおり、当時の国王エドウィンがその影響を受けてキリスト教に改宗した。その後、多くの修道院が建てられその中から優れた宗教詩人が出現した。キャドモンはヨークシャーのホイットビイの修道院に入ったが、もともと僧籍もなく無学であったため、作詩をたしなむ同じ修道士たちの中でも自作の詩を発表することすらできなかったが、ある夜、突然詩才を授かって、聖書に題材をとった宗教的物語詩であり夢の中で作ったと言われる天地創造を歌った詩の他に、吟遊詩人の技法を自己の目的に巧みに適合させて神をほめたたえた『聖歌』を残した。キョドモンとは異なり、神学校で...

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