はじめに
最近、少年事件に関する報道を数多く目にする。2000年1月から今まで報道された主な事件を拾うだけでも、名古屋市緑区の中学生恐喝事件、愛知県豊川市の主婦殺害事件(17歳)、西鉄高速バス乗っ取り乗客殺傷事件(17歳)、岡山県邑久郡の金属バット殴打事件(17歳)、大分県野津町での一家6人殺傷事件(15歳)、鳥取県東伯郡での母親殺害事件(17歳)、新宿歌舞伎町ビデオ店爆発事件(17歳)、渋谷駅前での金属バット殴打事件(17歳)、静岡県清水市でのアパート隣人刺殺事件(14歳)、そして兵庫県御津町でのタクシー運転手強盗殺人事件(2人とも16歳)などがある。
そして、このような社会に衝撃を与える事件が大きく報道されるのに伴って、少年犯罪に対する社会の関心は高まり少年に対する不安が増大し、現行少年法は甘い、不十分だとの声が高まり、2000年11月、戦後50年余りに亘って適用されてきた少年法を改正する法案が国会で可決された。そして2001年4月1日から改正法が施行されている。
そこで改正法の成立から内容までを改めて把握し、改正された少年法の問題点、運用の上での問題点を明らかにし、改善策を自分なりに考えていきたいと思う。
第一章 改正の背景
一.家裁裁判官による審理の困難さ
第一は、少年側が非行事実を争った場合などに、1948年法の審判手続きでは、家裁裁判官が審理を行うのに多大な困難を感じるようになってきたことである。
刑事事件では、検察官が、公判廷に出席して、被告人が犯罪を行ったことを積極的に立証する責務を負う。裁判官は、被告人の有罪を確保するために、積極的に事実を解明していく義務はなく、裁判官は、中立的な立場で、検察官と被告人・弁護人との攻防を眺めて判断を下せば、本来それで足りるのである。
改正少年法
はじめに
最近、少年事件に関する報道を数多く目にする。2000年1月から今まで報道された主な事件を拾うだけでも、名古屋市緑区の中学生恐喝事件、愛知県豊川市の主婦殺害事件(17歳)、西鉄高速バス乗っ取り乗客殺傷事件(17歳)、岡山県邑久郡の金属バット殴打事件(17歳)、大分県野津町での一家6人殺傷事件(15歳)、鳥取県東伯郡での母親殺害事件(17歳)、新宿歌舞伎町ビデオ店爆発事件(17歳)、渋谷駅前での金属バット殴打事件(17歳)、静岡県清水市でのアパート隣人刺殺事件(14歳)、そして兵庫県御津町でのタクシー運転手強盗殺人事件(2人とも16歳)などがある。 そして、このような社会に衝撃を与える事件が大きく報道されるのに伴って、少年犯罪に対する社会の関心は高まり少年に対する不安が増大し、現行少年法は甘い、不十分だとの声が高まり、2000年11月、戦後50年余りに亘って適用されてきた少年法を改正する法案が国会で可決された。そして2001年4月1日から改正法が施行されている。
そこで改正法の成立から内容までを改めて把握し、改正された少年法の問題点、運用の上での問題点を明らかにし...