-1-
21 2 9
1
1.1
次の 3 つの定電流回路を説明せよ。
1.2
基本的には、オペアンプに負帰還が掛かっているため、バーチャ
ル・ショートが成り立つ。このことを利用して定電流を流す回路
を作成している。
1.2.1 定電流回路 1
オペアンプのバーチャル・ショートより、
Vin = V (1)
したがって、点 4 の電圧は入力電圧によって決められるため
Vin = RsI46 (2)
と表すことができる。
また、電流 I45 には流れないため
I34 = I46 (3)
が成り立つ。
つまり、抵抗 Z が変動しても、電流 I34 は変わらないため、次
式が成り立ち、
I3
定電流源回路 -1― オペアンプを利用した定電流源回路 ―
増成伸一
平成 21 年 2 月 9 日
1
定電流源回路
1.1
問題
1.2.2
定電流回路 2
定電流回路 2 も定電流回路 1 と同様に考えることができる。定
電流回路 1 では、オペアンプから直接負荷につながっているため、
次の 3 つの定電流回路を説明せよ。
電流を稼ぐことができない。そこで、定電流回路 2 ではトランジ
スタを接続し、電流増幅を考えた。
Vin 1
V-
定電流回路 1 と同様に点 8 での電圧は、オペアンプのバーチャ
Vout
2
Z
3
ル・ショートより入力電圧と等しくなる。したがって、オペアン
Vin
5
プのマイナス側には、電流は流れないため
4
Rs
Constant Current Circuit 1
6
R
1
3
2
I8,10 =
V-
Vin
Rs
(5)
4
6
Vin 1
V-
Z
5
5
Vout
2
3
Constant Current circuit 3
4
9
が成り立ち、I65 は定電流となる。この電流は、オペアンプの出力
Rs
Z
から電流がベースに流れ込み、結果、出力電流を増幅したものに
6
なっているため、電流量が必要な場合はこの回路を用いる。
7
8
10
Constant Current Circuit 2
1.2.3
Rs
定電流回路 3
定電流回路 3 では、入力電源が交流になっている。そのため、電
流が流れる閉ループを考える。まず、抵抗 R だが、これはオペア
ンプを電圧源と見たときに入力電圧と直接つなげないために入れ
解法
ている。そして、ここでもバーチャル・ショートが成り立ってい
を作成している。
に形成された経路 1-2-5 に流れる電流は経路 5-6 に流れ込む。この
1.2
るため点1と点4の電圧は等しいといえる。したがって、仮想的
基本的には、オペアンプに負帰還が掛かっているため、バーチャ に経路 1-2-5 の閉ループができていると考えられる。しかし、経
ル・ショートが成り立つ。このことを利用して定電流を流す回路 路 5-4 はオペアンプの特性より電流は流れない。そのため仮想的
ときに流れる電流が、入力電圧と抵抗 Rs で決定されるため、電
1.2.1
流 I56 は一定電流となる。
定電流回路 1
オペアンプのバーチャル・ショートより、
Vin = V−
(1)
したがって、点 4 の電圧は入力電圧によって決められるため
Vin = Rs I46
(2)
と表すことができる。
また、電流 I45 には流れないため
I34 = I46
(3)
が成り立つ。
つまり、抵抗 Z が変動しても、電流 I34 は変わらないため、次
式が成り立ち、
I34 =
Vin
Rs
理論的には定電流回路の条件を満たしていると考えられる。
(4)