BPF(Band Pass Filter)
21 1 26
1 問題
次の回路の伝達関数を求めよ。
Amp1,2は理想アンプとする(バーチャルショートが成り立つ)。
2 解法
まず、Fig.1の回路方程式を立てるため、各経路における電流を
変数 I12 I23 I24 I54 I46(I67)I78(suffixが各経路をあらわしている)
とするとキルヒホッフの第一法則、第二法則を用いて
I12 = I23 + I24 (1)
I24 + I54 = I46 (2)
Vin R1I12
1
j!C
I23 = 0 (3)
Vin R1I12 R2I24
(
R3 +
1
j!C
)
I46 = Vout (4)
Vout = 2 RI 78 (5)
また、理想アンプのためバーチャルショートを用いると
1
j!C
I23 = RI 78 (6)
R2I24 +
1
j!C
I46 = 0 (7)
と表すことができる。
式 (5),(6)より、
Vout =
2
j!C
I23 (8)
次に、式 (1),(2),(3),(4),(7)を用いて行列式を表すと
0
B
B
B
B
B
B
B
回路方程式による伝達関数の導出
―二段増幅型 BPF(Band Pass Filter)―
増成伸一
平成 21 年 1 月 26 日
1
問題
次に、式 (1),(2),(3),(4),(7) を用いて行列式を表すと
次の回路の伝達関数を求めよ。
1
−1
−1
0
0
R1
0
1
jωC
1
0
1
0
R1
0
R2
0
0
0
R2
0
0
−1
0
1
R3 + jωC
1
jωC
I12
I23
=
I24
I54
I46
0
Vin − Vout
0
Vin
0
上式を次のように表す。
Ax = B
(9)
式 (8) に代入するため I23 のみわかればいいのでクラメルの式
を使う。従って、まず |A| を求めると
|A|
=
1
0
−1
0
−1 0
1 1
0
−1
R1
1
jωC
0
0
0
R1
0
R2
1
0 R3 + jωC
0
0
R2
0
1
R1
−1
1
jωC
−1
0
0
0
R1
0
R2
1
R3 + jωC
0
0
R2
1
jωC
1
jωC
Amp1,2 は理想アンプとする(バーチャルショートが成り立つ)。
=
2
解法
まず、Fig.1 の回路方程式を立てるため、各経路における電流を
変数 I12 I23 I24 I54 I46 (I67 ) I78 (suffix が各経路をあらわしている)
1
第二列で展開し、 jωC
= α とすると
とするとキルヒホッフの第一法則、第二法則を用いて
|A|=
I12 = I23 + I24
(1)
I24 + I54 = I46
1
Vin − R1 I12 −
I23 = 0
jωC
(
)
1
Vin − R1 I12 − R2 I24 − R3 +
I46 = Vout
jωC
Vout = 2RI78
(2)
(3)
(5)
R3 + α + α R1
α
0
R2
R2
R3 + α
α
R2
R2
R2
R3 + α
R2
α
|A| =
0
+ α
R2
R2
R3 + α
R1
+α
α
0
R3 + α
α
−R1 (R2 R3 ) − α(R2 R3 ) + α2 R1
(10)
R1 α − R2 R3 α − R1 R2 R3
(11)
2
(6)
クラメルの式より、Vin − Vout = β とすると
(7)
1
0
I23 =
式 (5),(6) より、
2
I23
jωC
0
R1
0
=
と表すことができる。
Vout =
−1
0
(4)
また、理想アンプのためバーチャルショートを用いると
1
I23 = RI78
jωC
1
R2 I24 +
I46 = 0
jωC
|A| = R1
1
R1
(8)
1
R
|A| 1
R1
0
0
0
−1 0
1 1
Vin
β
0
0
R2
R2
0
0
0
0
−1
0
R3 + α
α
さらに、式 (23) の ω0 を用いて正規化を行うと
右辺の分子を第 4 列で展開すると
1
0
−1
0
R1
R1
0
Vin
β
0
0
R2
R2
0
R3 + α
α
Vin
0
0
β
0
R2
R2
R3 + α
α
=
−
=
Vin (−R2 R3 ) − α(R1 β − R1 Vin )
=
−R2 R3 Vin + αR1 Vout
R1
Vin
0
R1
0
β
0
R3 + α
α
Vout
Vin
=
G√
Vout
Vin
=
G√
1
Q
(ω02 −ω 2 )2
1 2
+ (Q
)
ω02 ω 2
1
Q
1 2
( ωω0 − ωω0 )2 + ( Q
)
−R2 R3 Vin + αR1 Vout
R1 α2 − R2 R3 α − R1 R2 R3
(14)
式 (13) を式 (8) に代入すると
−R2 R3 Vin + αR1 Vout
R1 α2 − R2 R3 α − R1 R2 R3
−(R1 α2 + R2 R3 α + R1 R2 R3 )Vout = −2αR2 R3 Vin
Vout
2αR2 R3
=
2
Vin
R1 α + R2 R3 α + R1 R2 R3
2 R3
jω R12R
Vout
R2 R3 C
=
R1
R2 R3
2
Vin
R1 R2 R3 C 2 + jω R1 R2 R3 C + (jω)
Vout = 2α
jω R12C
Vout
=
1
1
2
Vin
R2 R3 C 2 + jω R1 C + (jω)
(15)
(16)
(17)
(18)
(19)
に、Q 値は通過帯域の鋭さを表していることがわかる。
ここで、jω = s とすると
2
Vout
R1 C s
= 2
Vin
s + R11C s + R2 R13 C 2
(20)
式 (20) がこの回路の伝達関数を表している。次に、この伝達関数
の式を次のように標準形に変換する。
ω0
Vout
Qs
= G 2 ω0
Vin
s + Q s + ω02
(21)
G は利得、ω0 は通過帯域の中心周波数、Q は通過帯域の鋭さを表
している。この形に変形したときのそれぞれの値は、
ω02
=
ω0
=
Q =
Q =
Q =
G =
1
R2 R3 C 2
1
√
C R2 R3
ω0 R1 C
1
√
R1 C
C R2 R3
R
√ 1
R2 R3
2
となる。次に、ゲイン曲線を求めるために式 (20) の絶対値を求め
る。もう一度 s = jω と置きなおして
|j ωQ0 ω|
Vout
Vin
= G
Vout
Vin
= G√
|ω02 − ω 2 + j ωQ0 ω|
ω0
Qω
(ω02 − ω 2 )2 + ( ωQ0 ω)2
(25)
(12) 式 (25) のようになり、正規化することができた。その結果のグラ
フを以下に示す。中心周波数は 1kHz として、Q 値を変化させた
(13)
ときの BPF の特性の変化を表す。このグラフを見て分かるよう
従って、I24 は
I24 =
(24)
(22)
(23)