古代ギリシア思想 三大哲学者
三大哲学者とは、ソクラテス、プラトン、アリストテレスのことである。三大哲学者たちは、ポリスの崩壊過程の中で思索を重ねた。ソフィストたちが、ともすれば詭弁に堕していく中で、この三人は人間の生きる道や社会のあり方を考察した。この三人の思想をテーマにして私の考えを述べていく。
1.ソクラテス
ソクラテスは、中年期の初めに「ソクラテスよりも賢いものはいない」というデルフォイの信託を友人から聞かされる。ソクラテスは奢り高ぶらず、この信託を「無知の知」と解釈する。つまり、自分が無知であることを自覚しているという意味にとり、その分だけ他者よりも自分が優っているとした。そして、「無知の知」を、真の「知」に向かっていくための出発点として捉えていたと考察する。
また、ソクラテスにおいては、真の知は人を正しい実践に駆り立てる力があると考えられる。つまり、真の知は正しい行為を導き(知行合一)、それは徳(アレテー)となって現れる(知徳合一)とされる。彼は徳の本質が「知」にあると考えていたのだろう。
ソクラテスが、友人の逃亡の勧めを拒み、毒杯を仰いで死んでいったことは有名で...