現在の日本国では、法律を制定する国会・国勢を運営する内閣・法律の適用の是非について審理する裁判所の3機関があり、それぞれが立法・行政・司法の国家権力を担っている。これを三権分立と呼び、1868年(明治元年)五箇条の御誓文を実行するに当たり出された政体書の中で三権分立主義を採ることが明記され今日に至る。
日本国憲法は、理念の中心に「個人として尊重」、「個人の尊厳」という原理を置き、個人の価値を裁定するのは人間や社会ではなく、一人一人の個人は人間として最大限の尊重を受けるという考え方である。それらを根底として、三大基本原理の一つである基本的人権の尊重があり、基本的人権(自由)は尊重されねばならい。先ほども述べたように日本の三権分立は五箇条の御誓文により明記され、明治23年大日本帝国憲法の施行で、帝国議会の成立と裁判所構成法の制定により一応の権力分立の体制が整っている。しかし、全ての統治権力は天皇が持っていたのでそれは極めて不徹底なものであった。モンテスキューの著書「法の精神」の中では「すべての権力を持つ者はそれを濫用しがちである。彼は極限までその権力を用いる。それは不断の経験の示すとこ...