日本におけるフランス語の歴史

閲覧数3,475
ダウンロード数9
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     現在フランス語は英語に並び国際的主要言語とされている。私たちは国際社会においてコミュニケーションを行うため、また他文化を学ぶためなどさまざまな目的を持って、外国語を学び、フランス語もその例にもれない。フランス語とわれわれの母語である日本語の交流はいつどのように始まったのか。どのような時代背景の下にどのような意図を持って日本でフランス語が学習し始められたのか。さらに、時代の潮流に習った今日フランス語を学ぶ意義を考察していきたい。
    ?.フランス語の流入
     日本でのフランス語学習は、1808年オランダ通辞らによって英語学習よりも早く始まった。それまでの日本では、江戸幕府の鎖国政策の下、専らオランダ語を媒介に海外の知識を得ていた。フランスやフランスで研究された化学についても例外ではなく、オランダ語に翻訳された本によって学んでいたのである。しかし、当時ナポレオンの台頭などによりフランスがヨーロッパで大きな力を持ち始め、フランス語が世界で重要な役割を占めるようになった。したがって、日本においてもフランス語学習の必要性が高まり、本木床左衛門ら長崎の通辞たちが幕府の命のより、フランス語を学び始めた。
    彼らは、出島のオランダ商館長で蘭和辞書『長崎ハルマ』を作ったヘンドリク・ヅーフにつき、ヅーフの協力を得て、ピーテル・マリーンの対訳書『フランス語およびオランダ語の新方法』を基にした、初の仏和辞典『払郎察辞範』と『和仏蘭対訳語林』の編纂に取り組んだ。しかし、これはあと少しを残して完成に至ることができず、現在草稿のみが長崎市立図書館に残されている。
     それ以前に和仏対訳がまったくなく、オランダ語という外国語を仲介にフランス語を研究するということは、今では想像もつかないくらい困難で苦労の伴うものであっただろう。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    現在フランス語は英語に並び国際的主要言語とされている。私たちは国際社会においてコミュニケーションを行うため、また他文化を学ぶためなどさまざまな目的を持って、外国語を学び、フランス語もその例にもれない。フランス語とわれわれの母語である日本語の交流はいつどのように始まったのか。どのような時代背景の下にどのような意図を持って日本でフランス語が学習し始められたのか。さらに、時代の潮流に習った今日フランス語を学ぶ意義を考察していきたい。
    Ⅰ.フランス語の流入
    日本でのフランス語学習は、1808年オランダ通辞らによって英語学習よりも早く始まった。それまでの日本では、江戸幕府の鎖国政策の下、専らオランダ語を媒介に海外の知識を得ていた。フランスやフランスで研究された化学についても例外ではなく、オランダ語に翻訳された本によって学んでいたのである。しかし、当時ナポレオンの台頭などによりフランスがヨーロッパで大きな力を持ち始め、フランス語が世界で重要な役割を占めるようになった。したがって、日本においてもフランス語学習の必要性が高まり、本木床左衛門ら長崎の通辞たちが幕府の命のより、フランス語を学び始めた。
    彼...

    コメント1件

    uraguchi 購入
    参考になりました。ありがとうございます。
    2007/01/25 21:38 (17年10ヶ月前)

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。