・村上龍 「ラブ&ポップ」 幻冬舎文庫
1997年12月25日初版、1999年10月20日12版
高2の吉井裕美は友達と4人で渋谷に水着を買いに行く。裕美は指輪を見にココ山岡に行くが、そこでインペリアルトパーズ(12万8千円)という指輪を見てむしょうに欲しくなる。この指輪を買うために、裕美は初めて最後までいく援助交際をすることを決める。
あとがきで村上龍は次のように述べている。
「彼女達に罪の意識があるのかどうか、そんなことは問題ではない。程度の差はあっても、罪悪感くらいみんな持っている。罪悪感は社会的なもので、文学はモラリティを扱うものではない。自分ではその動機さえわからずアクションを起こし、時にはモラルを突破する人間の前駆的な言葉を翻訳するのが文学だと私は考えている。」
そのような少女達を描こうと思っていたが、実際に援助交際をする女子高生を取材して、援助交際がそれだけで見事に完結している印象をもった。
これを描いても文学にならないので、「ブランド品と援助交際を口実にして、女子高生達は他者との出会いの『可能性』に飢えている、と仮定して、小説を書き始めた。」と述べている。
小説の中では登場人物が直接このようなことを口にする場面は見当たらなかったが、裕美は二人と援助交際をする中で、出会って間もないうちから相手に気を許しているようなところがある。(伝言ダイヤルを聞く時点で相手が信頼できる人か否かを判断してはいるが)
また、裕美は彼氏とのセックスはよくて、見知らぬ人とのセックスがいけない理由がどこにあるのかを何度も考えるが、結局その解答は得られずじまい。
旧約聖書 「創世記」 関根正雄訳 岩波文庫 2001年5月7日 第71刷発行
天地創造の神ヤハウェは、エデンの園においてアダム(男)とエバ(女)を創る。
-援助交際を考える-
・村上龍 「ラブ&ポップ」 幻冬舎文庫
1997年12月25日初版、1999年10月20日12版
高2の吉井裕美は友達と4人で渋谷に水着を買いに行く。裕美は指輪を見にココ山岡に行くが、そこでインペリアルトパーズ(12万8千円)という指輪を見てむしょうに欲しくなる。この指輪を買うために、裕美は初めて最後までいく援助交際をすることを決める。
あとがきで村上龍は次のように述べている。
「彼女達に罪の意識があるのかどうか、そんなことは問題ではない。程度の差はあっても、罪悪感くらいみんな持っている。罪悪感は社会的なもので、文学はモラリティを扱うものではない。自分ではその動機さえわからずアクションを起こし、時にはモラルを突破する人間の前駆的な言葉を翻訳するのが文学だと私は考えている。」
そのような少女達を描こうと思っていたが、実際に援助交際をする女子高生を取材して、援助交際がそれだけで見事に完結している印象をもった。
これを描いても文学にならないので、「ブランド品と援助交際を口実にして、女子高生達は他者との出会いの『可能性』に飢えている、と仮定して、小説を書き始めた。」と述...