我が国に本格的なスキー技術が伝わったのは約100年前。その後のスキーブームによってスキー人口が急激に上昇、押し寄せるスキー客に対応してスキー場の大規模化、量的拡大、リフトの高速化、大量化が行われた。しかし、その後スキー人口は減少に転じ、そして2000年代に入ると、スキー場の供給は量的には充分になり、プレー人口も安定化し、経験豊富な層が増加しつつある。また、スキー用具も多様化し、雪上スポーツの志向も多様になってきている。しかし、各スキー場の経営は依然として厳しく、今までのように場所だけ提供していれば客が来るということもなく、経営の大幅な転換が必要となってきている。
そのような中で、今後の我が国のスキー場が再生を成し遂げるにはどうしていけば良いのか、どのようなスキー場が考えられるか、具体例を挙げつつ、このレポートで根本にまでさかのぼって考察していくことにする。
日本のスキー場の特徴
最初に、日本のスキー場はどんな特徴があるのかを考えていくことにする。
まず、地理的特徴としては、日本は欧米に比べ緯度が低く標高が低い割に雪がたくさん降り、緯度が低い分森林限界は高いので、スキー場を作るためには広葉樹の生い茂った森林を切り開いていかなければならない。欧米ではたいてい森林限界の上部にスキー場が設置されているので森林を伐採する必要もなく、環境に対する負荷が少なくてすむが、日本ではスキー場を作るためには森林を切り開いていかなければならないので、環境に対する負荷が大きくなる。さらにその雪も湿って重いものになっているので、きちんと整備しないとなかなか快適な雪上スポーツを楽しむことができない。
また、日本の山は急峻で凸凹の多い斜面が多く、また、その麓には平野が広がっているので、中程度の斜面をロングクルージングというわけにもいかない。
日本の地理・自然環境の特徴を生かしたスキー場のあり方
我が国に本格的なスキー技術が伝わったのは約100年前。その後のスキーブームによってスキー人口が急激に上昇、押し寄せるスキー客に対応してスキー場の大規模化、量的拡大、リフトの高速化、大量化が行われた。しかし、その後スキー人口は減少に転じ、そして2000年代に入ると、スキー場の供給は量的には充分になり、プレー人口も安定化し、経験豊富な層が増加しつつある。また、スキー用具も多様化し、雪上スポーツの志向も多様になってきている。しかし、各スキー場の経営は依然として厳しく、今までのように場所だけ提供していれば客が来るということもなく、経営の大幅な転換が必要となってきている。
そのような中で、今後の我が国のスキー場が再生を成し遂げるにはどうしていけば良いのか、どのようなスキー場が考えられるか、具体例を挙げつつ、このレポートで根本にまでさかのぼって考察していくことにする。
日本のスキー場の特徴
最初に、日本のスキー場はどんな特徴があるのかを考えていくことにする。
まず、地理的特徴としては、日本は欧米に比べ緯度が低く標高が低い割に雪がたくさん降り、緯...