1. はじめに
株価や為替レートなど、世の中に不規則に変動する現象は実に多い。そのような不規則現象を相手とするとき、それが『どのような不規則さであるか』を把握しておくこと、言い換えるなら、相手の正体をある程度見極めておくことは、極めて重要な作業である。ここでは、不規則現象を調べるときに出発点となる『正規分布』を理解することを目的として、一様乱数と中心極限定理について、パソコンを用いたシュミレーションを試みた
2. データ作成
Excelには、「Rand()」なる0〜1の一様乱数を発生するワークシート関数が用意されている。今回は3000個の一様乱数(R1)を発生させるとともに、
R2:2個の一様乱数の平均 R4:4個の一様乱数の平均
R8:8個の一様乱数の平均 R16:16個の一様乱数の平均
R32:32戸の一様乱数の平均
を、それぞれ3000個ずつ作成した。
乱数列とは、それがまったく規則性を持たず、予測不能であることを意味している。今回作成したR1についていえば、隣同士の関数は−0.024と極めて小さく、ほぼ無関係の系列と見なされた。
3. ヒストグラムと統計
R1~R32の系列について、0.02刻みで求めたヒストグラムを図1に示している。R1がほぼフラットな一様乱数特有の分布であるのに対して、R2~R32は次第に幅の狭い山状の分布に変わっている。図2は縦軸を対数にとったものであるが、平均個数を大きくするほど、幅の狭い放物線に換わっていることがわかる。
表1は、R1〜R32の平均、分散、標準偏差、尖度、歪度である。平均値はいずれも0.5前後で変わらない。分散、標準偏差は平均個数が大きくなるにつれて減少している。歪度は±0.09の範囲にあって、ほぼゼロ近傍に集まっているが、尖度は‐1.20からゼロに向かって収束している。
一様乱数と正規乱数
はじめに
株価や為替レートなど、世の中に不規則に変動する現象は実に多い。そのような不規則現象を相手とするとき、それが『どのような不規則さであるか』を把握しておくこと、言い換えるなら、相手の正体をある程度見極めておくことは、極めて重要な作業である。ここでは、不規則現象を調べるときに出発点となる『正規分布』を理解することを目的として、一様乱数と中心極限定理について、パソコンを用いたシュミレーションを試みた
データ作成
Excelには、「Rand()」なる0~1の一様乱数を発生するワークシート関数が用意されている。今回は3000個の一様乱数(R1)を発生させるとともに、
R2:2個の一様乱数の平均 R4:4個の一様乱数の平均
R8:8個の一様乱数の平均 R16:16個の一様乱数の平均
R32:32戸の一様乱数の平均
を、それぞれ3000個ずつ作成した。
乱数列とは、それがまったく規則性を持たず、予測不能であることを意味している。今回作成したR1についていえば、隣同士の関数は-0.024と極めて小さく、ほぼ無関係の系列と見なされた。
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